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漬物業界はもう長い事右肩下がりの状態です。

その原因は当時の時代背景もあると思いますが大量生産・大量消費によって”見た目の良さや、手軽さ、便利さ”を重視するようになったことだと思っています。もちろん、それによって発展した業界もあるので当時の環境が悪かったというのではなくて、漬物業界としては厳しい時代の幕開けだったと思っています。
時代の流れに乗った結果、漬物として大事な保存性や健康面を失う事になり、益々家庭での消費は薄れ、飲食店においても単なる彩としての扱いになる事も珍しくなく、その後の漬物は珍しさや奇抜さを目指すなど、迷宮にはまっていったのだと考えています。

豊洲市場移転を機に独立しようと思ったのは、

この世界で食べていくために何をするべきか?と考えたときに「消費者のすそ野を広げなければいけない!」と思いました。であれば、「見た目が良くて美味しくないもの。化学調味料で均一化された味のもの。保存料が入らないと保存できないもの。外国産の物。」を取り扱うのは極力やめて、国産で美味しくて、健康にも良い物に回帰すべきだ!ちゃんとしたものであれば、認められないはずがないし、これが自分の仕事を守ることにもつながる!!という思いに至りました。

ただし、なかなか私がそう思っても既に作るのをやめてしまった伝統漬物や、無添加製造をしていないもの、輸入原料に頼っているものが多くありますし、お客様もそこまでのこだわりを持たない人が少なくないという現状もあり、自分が目指す品ぞろえとしてはまだまだ50%だと思っています。
とはいえ、ここ数年で健康意識も高まってきていますし、漬物の植物性乳酸菌に着目するメディアも増えてきたので追い風にはなっていると思っています。また、少しずつですが無添加の漬物を作るメーカーも見つかり始めています。
中には、ただ無添加で作ったというだけで美味しくない物も多いのですが、基本的に無添加で、ちゃんと漬けたものは科学的に成形されたものでは味わえない感動を覚えますし、とにかく美味しいし、なにより飽きないのです。

漬物販売に携わって30年以上、美味しくて健康的で保存性もある漬物を皆様にお伝えするのが私の役割ではないかと考えています。

店主 柳沢博幸
築地の漬物問屋で20年勤務後、2011年4月に独立/ニューヨーク・マンハッタンのJapan Fesに参加/バンコクのホテルとの取引など新しい試みもしています。